「高所恐怖症なら知っているけど。高所平気症って何?」
まあ言葉通りに考えると、高いところが平気な症状なんだろうとは想像がつきますが、いまいちその症状の危険性についてはピンときませんよね。
高いところが怖い「高所恐怖症」は、いろいろな不都合が出てきそうな気がしますし、「大変なんだろうな」という感じもします。
一方の高いところが平気な「高所平気症」は、「あーそうなんだ」で終わってしまいそうです。
しかしながらこの「高所平気症」は放置しておくと結構危険なものなのです。特に子供が高所平気症だと、命の危険にかかわるので、きちんと対策をしておく必要があります。
高所平気症とは
高所平気症とは
高所平気症とは、その名の通り「高いところが平気な症状」です。
普通人間というものは、幼いころからの経験により「高いところは危険性がある怖いものだ」という感覚が頭の中に出来上がります。
自らの体験によって、「高い場所に対する恐怖心」が養われていくということですね。
以前はジャングルジムやブランコなどで子供たちは普通に遊んでいました。さらに昔だと木登りをするなどして子供の時から高いところと触れ合っていました。
遊びの中で高いところから落ちるなどの経験をすることで、高い場所に対する恐怖心が徐々に養われていったのですね。
しかし今の子供たちは、危険だからといってジャングルジムで遊んだりすることが少なくなってきているようです。
すると、高いところは危険だという感覚が学べないまま成長をしてしまうのです。
高所平気症の危険性
まあそうはいっても、ジャングルジムなどで遊ばない子供全員が高所平気症になるのかというと、もちろんそんなことはありません。
また高所平気症になったからといって、それがすぐに危険性があることかと問われればそんなこともないでしょう。
中学生くらいのある一定の年齢になれば、高いところから落ちれば大けがをするし、打ち所が悪ければ命にかかわるということも理解することができてきます。
ただ幼児や小学生の子供が「高所平気症」であったなら、少なからず危険性があることを親は認識しておいたほうがいいでしょうね。
特に最近は、タワーマンションのような超高層階に住んでいる方も増えてきています。
実際にタワーマンションの高層階から子供が転落してしまう痛ましい事故が増えているのが現状です。
これら転落した子供の多くが、「高所平気症」だったのではないかとも考えられているのです。
タワーマンションに潜む危険性
友人は高層階から転落
私の学生時代の友人は、幼稚園に通っているころマンションの9階から転落したことがあるそうです。
幸い骨折だけで済んで後遺症も残らなかったようなのですが、友人曰く「あんまり覚えていない」そうです。
その友人も子供のころからマンションに住んでいたそうなのですが、ひょっとすると「高所平気症」だったのかもしれないですね。
無意識のうちに高さに対する恐怖心がなくなり、転落してしまったのかもしれません。
この私の友人のように、マンションの高層階から子供が転落する事故が最近増えてきているようです。先日も43階の高層階から子供が転落するといういたましいニュースがありました。
タワーマンションのように高層階に幼少期から住んでいる子供は、高さに関する感覚がマヒしてしまっているそうです。
もし高層階に住んでいる子供が「高所平気症」になってしまうと、やはり危険性はありますよね。
私自身の体験談
私自身も幼稚園のころからマンションに住んでいたのですが、たしかに一般の人に比べると高いところに恐怖心が少ないような気がします。
もちろん私自身は子供のころからジャングルジムなどで遊んでおり、高いところから落ちると危険だということは子供のころから認識していました。
しかしいつも高い景色を見ていた慣れなのでしょうか、それほど高いところが怖いというわけではありません。
バンジージャンプやスカイダイビングも多少は怖いですが、まあできるかなといった感じです。(もちろん好き好んでしようとは思いませんが)
子供の高所平気症対策
それでは子供が高所平気症になっていると感じたら、どのような対策をすればいいのでしょうか。
ベランダに物を置かない
タワーマンションの高層階に住んでいて、最も危険な場所はやはりベランダです。
部屋の窓などは転落防止の施策がとられているので大丈夫だと思いますが、ベランダは子供にとってかなり危険な場所です。
ましてや子供が高所平気症ならば、恐怖心という足かせがないのでその危険性はさらに高まります。
法律でベランダの柵の高さは110cm以上にしなければならないことが定められています。
110cmあれば幼児や小学生が通常乗り越えることができないということですね。
しかしながらベランダに植木鉢・ごみ箱・イス・洗濯機などが置いてあると、子供がその上に乗ることも考えられます。
それらの上に乗ってしまえば、110cmの柵であっても子供はその柵を乗り越えることができてしまいます。
ですので、ベランダに子供が踏み台にできるようなものを絶対においてはいけないということですね。
子供が高所平気症であっても、物理的にベランダから転落しないような状況を作っておけば、転落のリスクはゼロに近づけることができますからね。
高いところは怖いと子供に教える
子供をブランコやジャングルジム・滑り台などで遊ばせましょう。
子供はこれらの高いところで遊んでいると、自然と「高いところは危ないのだ」ということを実体験を通して学んでいきます。
もちろん多少のけがをすることがあるのかもしれません。しかし子供の頃にいろいろな体験をするということは大事なことです。
「高いところから落ちると危ないよ」ということを子供に教えつつ、滑り台など高いところで子供が遊ぶことを見守りましょう。
痛みや恐怖心というものは人間にとって大事なものです。過度に持つのもあまりよくありませんが、適度な痛みや恐怖心がないと人間は無茶をしてしまいます。
あまり過保護になりすぎず、いろいろな体験をさせ、適度な痛みや恐怖心を子供の頃から学べるようにしておきましょう。