梅肉エキスからステロイドが検出されたと聞いて、私自身もかなり驚きました。

梅肉エキスは健康にいいとしてテレビ番組で紹介され、一時期ブームになりましたよね。

私もブームに乗って一時期に梅肉エキスを購入したことがあるのですが、いつの間にかに購入しなくなっていました。

そんな梅肉エキスにステロイドが含まれているというのはびっくりです。

どのような経緯から梅肉エキスからステロイドが検出されたのでしょうか。また副作用はないのでしょうか。

梅肉エキスが自転車競技の公式スポンサーに

今回の騒動は、梅肉エキスの会社である「梅丹本舗」が自転車競技の公式スポンサーになっていたことから始まっています。

もちろんスポンサーになることは何の問題もないのですが、この「梅丹本舗」がスポンサーになって自転車競技者に提供していた商品の中から、禁止薬物として指定されているステロイドが検出されたということです。

公益財団法人・日本自転車競技連盟(JCF)が公式スポンサー契約を結ぶ健康補助食品販売会社「梅丹(めいたん)本舗」(大阪府摂津市)の2製品から世界反ドーピング機関(WADA)で禁止されている、たんぱく同化ステロイドが検出されたことが20日、分かった。JCFは同社と2011年から契約し、五輪を目指すトップ選手らに製品を提供していた。

選手によると、試合会場の控室などに数種類の梅丹のサプリなどが置いてあり、誰でも口にできる状態だった。ある選手は「公式サプリだったので梅肉エキスなどを服用したのは間違いない。禁止物質が含まれているとは想像もできなかった」とショックを隠せなかった。

オリンピックを目指すような競技者は、ドーピング違反について普段からかなり慎重に行動しないといけないといわれています。

市販の風邪薬についてはもちろんですが、健康食品や普段の食事についてまできちんと考えて摂取しなければならないそうです。

それが今回は、公式スポンサーが提供するサプリメントからドーピング違反になりうる禁止薬物が検出されてしまったので、非常に反響も大きくなっています。

まあこれは自転車競技連盟が悪いですよね。きちんと検査せずに選手に提供するというのはずさんといわれても仕方ないでしょう。

ステロイドはなぜ含まれていたの?

ところで素朴な疑問として、なぜ梅肉エキスからステロイドが検出されたのでしょうか。

ステロイド成分「ボルジオン」とは

今回、「梅丹本舗」が販売する「古式梅肉エキス」と「トップコンディション(TC)」から、世界反ドーピング機関WADAで指定されている禁止物質である “1,4-androstadiene-3,17-dione”(通称ボルジオン)が含まれていることが判明しました。

このボルジオンとはどのようなものかと調べたのですが、あまり情報がないですね。

ボルデノンの前駆体で、化学式は「C19H24O2」となっており、プロホルモン愛好家には以前から知られている筋肉増強作用のある物質のようです。

梅肉エキスにはボルジオンが含まれているのが普通なのか?

それでは、梅肉エキスにはボルジオンが含まれているのが普通のことなのでしょうか?

正直なところ、今回「梅丹本舗」がWADAの検査機関に依頼して初めて「ボルジオン」が検出されたということが判明したので、梅肉エキス全てにボルジオンが含まれているかどうかは、現時点ではわからないというのが本当のところでしょう。

「梅丹本舗」では、今回数種類の商品を検査したそうなのですが、すべての梅肉エキス商品からボルジオンが検出されたというわけではありません。

ですので、梅肉エキスに必ずボルジオンが含まれているというわけではなさそうです。

梅肉エキスに副作用はあるの?

ボルジオンは、蛋白同化ステロイドの一種で、 自然界にも普通に存在しています。単離物質としては、創傷治療と筋肉損傷の治療の為に用いられることがあります。その特性から身体能力や筋肉の成長を増強するスポーツドーピングにも使用されることがあります。

同時に検査した含有が確認されなかった製品の梅肉エキスの含有量などから類推すると、梅肉エキス 1g 当たり 0.00005mg 前後の含有量ではないかと思われます。

梅肉エキスの 1 日当たりの目安 3g の場合は 0.00015mg、10 倍の 30g でも 0.0015mg の摂取量ですので梅肉エキス中の ボルジオンからの副作用、健康被害は存在しないと考えています。

上記を見てみると、「梅丹本舗」のボルジオンが含まれている梅肉エキスの商品を食べても、副作用の心配はまあないのではないでしょうか。

梅肉エキスは昔から健康にいいものとして多くの方に利用されています。梅肉エキスで健康被害があったということを聞いたことはないですからね。

ただ競技スポーツの選手は、梅肉エキスの商品を避けたほうがいいでしょうね。ドーピング違反になる危険性がある以上は、小さなリスクも避けたほうが無難です。

最後に梅肉エキスのデメリットばかりでなく、いい点も見ていきましょう。梅肉エキスにはどのような効用があるのでしょうか。

梅肉エキスの効用

ウィキペディアさんを見てみると、以下のように記載されていました。

梅肉エキスは、日本で考案されたもので、江戸時代末の医師・衣関順庵(きぬどめじゅんあん)が著わした医学書『諸国古伝秘方』(1817年)には梅肉エキスの作り方が記され、赤痢やチフス、食中毒、吐き下し、下痢、便秘、消化不良などに対する効用が記されている。

現在では、血流改善、降圧作用、免疫細胞の活性化、抗インフルエンザウイルス活性、疲労回復、肝臓強化、静菌作用などの効用が知られている。非常に酸味が強い。この酸味は、主成分のクエン酸によるものである。

梅肉エキスを製造する過程で生まれるムメフラールは梅肉エキスだけに含まれる成分である。

いろいろな効果がありますね。

とくに「ムメフラール」という梅肉エキス特有の成分が健康にいいようです。

梅肉エキスおよび黒豆煮汁中に血小板凝集能を抑制する物質が存在することを見出し、梅肉エキス中の血小板凝集能抑制物質がクエン酸および製造工程(加熱)中に生じる新規物質(ムメフラールと命名)(図3)であることを明らかにした。

ムメフラールには、血小板凝集能を抑制する物質が存在することが発見されたようです。

血小板凝集を抑制する作用があるということは、血液をサラサラにして血流を改善する効果があるということですね。

数日前に「車中泊のエコノミークラス症候群」についてのお話をしましたが、梅肉エキスは血栓をできにくくする効果があるようなので、エコノミークラス症候群の予防効果もあるのかもしれないですね。

今回のニュースで梅肉エキスが悪者にされるかもしれませんが、梅肉エキス自体は昔から重宝されてきた健康食です。

その効果は多くの人が実体験で体験していると思われます。

私も梅肉エキスを摂取したことがありますが、特に体調不良を起こした記憶はありません。(まあ特別に健康になったわけではないですが)

私自身は梅干しが結構好きなので(南高梅をよく食べます)、もし梅干しが悪者になると残念です。

今後もおいしく梅干を食べ続けていきたいと思います。