昨日2016年3月9日に、インドネシアで皆既日食を見ることができたそうです。
日本でも部分日食を見ることができた地域があったようですが、本日は天気が悪かったため見ることができた地域は少なかったようです。
私自身はまだきちんとした皆既日食を体験したことがありませんが、2012年に日本各地で金環日食が見ることができるということで、日食グラスが売れに売れたということを覚えています。
皆既日食が起こるメカニズムについては、「太陽・月・地球」の順番で一直線に3つが並んだ時に起こるものなのですが、中学校の理科で日食と月食のメカニズムに頭が混乱したことを覚えています。(いまはわかりますよ。なんとなくですけど。)
この前中学生に日食について教えたことがあったのですが、大人になって考えると疑問が出てきたことや新しく知ることがあったので、メモ代わりに記載していきたいと思います。
何で日食が起こるの?
日食が起こる理由
「何で日食が起こるの?」
太陽・月・地球が一直線に並ぶからですよね。理科が苦手な私でもわかります。
太陽と月の大きさ
ではなぜ太陽と月がぴったりと重なるのでしょうか。
中学時代に教えてもらったのかどうかは完全に忘れていましたが、大人になってから考えるとちょっとこの点が疑問になりました。
アホみたいな会話かもしれませんが、太陽と月って全く大きさが違いますよね。なんでそれがぴったり重なるの?と思いました。
調べてみると、太陽と地球の距離が約1億5000万kmだそうです。月と地球の距離が約38万kmだそうです。
両者は394倍(394分の1)の違いがあるのですね。
で太陽の直径が約139万km、月の直径が約3474kmだそうです。
両者は、400倍(400分の1)の違いがあるのですね。
ざっくり言って、距離が400倍、大きさが400倍ということで、比率マジックによりほぼぴったり両者が同じ大きさに見えるということなんですね。
小さいころから太陽と月がほぼ同じ大きさに見えているということは何となくわかっていましたが、あまり距離の違いや大きさの違いについて考えたことはありませんでした。
大人になってこの比率マジックのことを知って、自然の摂理はすごいんだなと感心しました。
昔の為政者達は、この皆既日食などの天体観測の計算方法を知っていたために皆既日食が起こる日付を知ることができ、多くの民に神の使いだと崇められたと聞いています。
もし太陽と月がぴったりと重なり合わなければ、いろいろ歴史が変わっていたのかもしれないですね。
新月は必ず皆既日食?
あともう一つ皆既日食のことについて疑問が出てきました。
それはなぜ新月の時に必ず皆既日食にならないのか?ということです。
新月の時は「太陽・月・地球」の順番に3つが一直線に並ぶわけですよね。
「あれっ、これって皆既日食の時と同じじゃないの?」と思ったわけです。
「一緒なら、新月の時にいつも皆既日食になるんじゃないの?いや、なっていないな。ということはなんでなの?」
中学時代にきちんと勉強した人なら「馬鹿だねー」と思うかもしれませんが、中学ですでに理科をセミリタイアしていた自分にとっては、素朴な疑問でした。
で、調べてみると簡単に答えはわかりました。
どのようなときに、日食が見られるか
日食とは太陽の前を月が通って覆い隠す現象です。
太陽通り道の黄道と月の通り道である白道は一致していれば、新月の度に日食となるが、黄道と白道とは約5度ずれているので、そうはならず、起こる可能性があるのは、黄道と白道が交わる点付近となります。
月の影の一部が地上のどこかに掛かれば日食になりますが、大まかな計算すると、そうなる条件は月が黄道より1.5度以内にあるときに新月になることでです。引用元: 日食について – 富山市科学博物館
黄道と白道のずれによって、新月の時に常に皆既日食になるわけではないんですね。
たった?5度のずれがあるゆえに、よくわからないタイミングで皆既日食が起こるというドラマが起こるのですね。
それにしても黄道や白道は今考えると難しいことではないですが、なんで昔はあんなにややこしかったんだろ?不思議です。
中学の時にこの辺りは教えてもらっていたんでしょうか。全く記憶に残っていないのですが、教えてもらっていないような気がしますがどうでしょう。
卑弥呼と邪馬台国と皆既日食
邪馬台国の卑弥呼が天照大神ではないかという説があります。この説が私は超好きです。
天照大神と言えば、天岩度隠れの伝説が有名ですよね。
超簡単に説明すると、「弟のスサノオが暴れまくるので太陽神であるアマテラスオオミカミが怒り天の岩度に隠れてしまって、世の中は太陽のない真っ暗な世界になってしまった」というものです。
この伝説は、いわゆる皆既日食のことを指しているのではないかという説があります。
さらに天照大神は実は卑弥呼だったのではないかという説があります。
この説は、卑弥呼が亡くなったと推定されている247年と248年に皆既日食があったことから構成されています。(卑弥呼の死は247年説と248年説があるようです。)
「卑弥呼が亡くなった時に皆既日食が起こり、それが天の岩度隠れの伝説になったと考えられる」としています。
そして、「この皆既日食が起こった北九州こそ邪馬台国の場所だ!」というものです。
この説いいですよね。なんかわくわくします。
でも残念ながらこの説にもいろいろな穴があります。
実は地球の自転の速さは今と昔で違いがあり、その補正をしないと正確に皆既日食が起こった場所を特定できないのですね。
いろいろな方が補正を試みているのですが、実際のところは謎なままです。北九州で本当に皆既日食が起こったかどうかはタイムスリップしなければわからないでしょう。
でもこんなものは謎のままでいいですよね。わからないからこそロマンがあるのです。
日本だけでなく世界各地で皆既日食の伝説があるようですね。古代の人たちにとって太陽がなくなるというのは恐ろしいことだったのでしょう。
日本でも1999年にグランドクロスで地球が滅亡すると真剣に考えていた方もいたようですので、天体というのは人知を超えた魔力のようなものがあるのかもしれませんね。