iPhone SEが発売されて1週間ほどが経過しましたが、売り上げはそれほどでもないようですね。
iPhone SEは、5sと同じサイズで使いやすいようなのですが、正直なところ買い替えるだけのインパクトがありませんよね。
日本ではだれもかれもがiPhoneを持っており、「iPhoneにあらずんば人にあらず」的な感覚に陥ってしまうほどiPhoneが広くいきわたっているのですが、最近発売されているスマホの中のiPhoneのシェアが落ちてきているようです。
2016年3月のスマホ売り上げの中でiPhoneが占める割合は50%強となっており、以前の80%強に比べると明らかに割合が下がってきています。
これが一時的なものなのか、3月だけのものなのかはまだ分かりませんが、一時期のiPhone神話が終わりを告げているのかもしれませんね。
iPhone SEの原価は160ドル
本日のニュースを見ると、iPhone SEの原価は160ドルだそうですね。
iPhoneの製品原価試算でおなじみのIHSが、16GBのiPhone SEを分解して部品コストを計算、原価を約160ドル(約1万7,800円)と推定しています。
本体コストは156.20ドルで、それに製造コストを加えると160ドル程度になるというのがIHSの試算です。AppleはiPhone5s、iPhone6、iPhone6s向けに設計された部品を利用することでiPhone SEの製造コストを低く抑え、399ドル(約4万4,400円)の実売価格を実現したとIHSは指摘しています。
16GBモデルがアメリカでは399ドル(約4.44万円)で発売されているので、原価率は40%ぐらいですよね。
一見ぼったくり価格のように見えますが、iPhone6sの原価率が30%弱だったことを考えると良心的だといえるのではないでしょうか(すでに感覚がマヒしている可能性もありますが・・・)
飲食店の原価率は30%程度というのは有名な話ですが、モノを売ってもうけるためには原価率を30%程度に抑えることが理想になってくるそうです。(最近は「儲けたければ原価率を40%にしなさい」という本があるように、原価率を上げてより良い素材を使ったほうがお客様の満足度が上がり、結果的に儲けも多くなるという考えもあるようですが)
ですのでiPhone SEの原価率40%というのは、「アップルとしては結構安い値段設定にしたんだな」という印象でした。
最近アップルの売り上げもあまりよくないようなので、少しでも安くして新興国などで売り上げを伸ばしたいのだと思いますが、それにしてはちょっと中途半端な値段設定なのかなと感じます。
新興国ではこの値段でもちょっと高いですよね。399ドルを出せる人ってあまりいない気がするのですがどうなのでしょうか。
アメリカ価格と日本価格の違い
原価率は納得できるのですが、アメリカの販売価格と日本の販売価格の違いはちょっと納得ができないのですが、皆さんはどうでしょうか。
アメリカでは16Gが399ドルなので、1ドル111.5円だとすると44,488円となります。
しかしながら日本での16Gの発売価格は、52,800円となっています。
52800÷399=132ドルなので、為替レートが完全におかしいですよね。
現在円高が絶賛進行中なので特に感じるのかもしれませんが、132ドルでの計算は完全にぼったくり価格です。
これはいったいどういうことなんでしょうね。
「日本人はみんなiPhoneを使っているから、この価格でも購入するだろう。ハッハッハッ」と思っているのでしょうか。
アメリカで399ドルで販売されていることを知らなければ、52,800円がそれほど高い価格と感じなかったのかもしれませんが、399ドルという価格設定を知ってしまうと、ぼったくりと感じてしまうのは仕方のないことでしょう。
基準価格がドルなのですから、せめてアップルショップではドル価格で売ってくれればいいんですけどね。(多少の誤差があってもいいので、それほど大差ない価格なら納得いく人は多いと思います。)
1ドル111.5円の44,488円程度の価格で販売されていたら、私自身も「結構安いな~」と感じると思います。
アップルも大お得意様の日本でこんな舐めた商売をしていると、売り上げが落ちてきてしまいますよね。
実際にその兆候は見られますので、アップルの落日も近いのかもしれません。
でもアップルの売り上げが落ちると、その部品を作っている日本の企業の売り上げが落ちてしまうんですよね。
実際に部品メーカーとして有名なアルプス電気の株価は、昨年12月に比べて半額以下になってしまっています。
アベノミクスの行く末も怪しくなってきましたし、今後の日本経済を考えるとアップルの落日もいいことなのか悪いことなのかわからなくなってきます。
液晶テレビと同じように、スマホも欲しい人にはほとんどいきわたってしまいましたからね。
iPhoneの売り上げが悪くなったからといって日本製のスマホが売れるとは限らないような気がします。
そう考えると、iPhoneが今後売れなくなってくるというよりも、スマホ全体の売り上げが落ちるということなのでしょうね。
日本の景気がまた悪くなってくるのは避けてもらいたいので、どうにかならないものでしょうか。うーん、難しいですね。