「イデコ(iDeCo)」といっても何のことかさっぱりわからない方は多いと思います。

「イデコ(iDeCo)」とは、個人型確定拠出年金の新しい愛称です。

厚生労働省がオブザーバーとして参加している 確定拠出年金普及・推進協議会は、 個人型確定拠出年金の愛称を、「iDeCo(イデコ)」に決定しましたので、お知らせします。

■選定理由:

・英語表記の individual-type Defined Contribution pension planの単語の一部から構成され、個人型確定拠出年金をうまく表している。

また、「i」には「私」という意味が込められており、自分で運用する年金の特徴を捉えていること。

・「イデコ」は親しみやすい響きで、小文字と大文字の交互の組合せが、スタイリッシュでおしゃれな印象を与えること。

まあ「いでこ」といってもピンときませんが、愛称はどうでもいいとして「個人型確定拠出年金」とはどのようなもので、私たち一般市民にとってはお得なものなのでしょうか、それとも国家的詐○的なものなのでしょうか。調べていきましょう。

個人型確定拠出年金とは

個人型確定拠出年金とは、いわゆる私的年金です。自分自身で加入するかどうかを選べる年金になります。日本版401Kというものですね。

年金といえば「国民年金」や「厚生年金」が頭に浮かびますよね。「国民年金」は自営業者などに対する公的年金で、「厚生年金」は会社勤めをしている人に対する公的年金です。

これらは基本的に強制加入なのですが、確定拠出型年金は私的年金なので別に加入しなければならないわけではありません。

元本割れのリスクがあり

個人型確定拠出年金の特徴は、運用先を投資信託など自分自身で決定します。

金融商品なので掛け金がマイナスになってしまうこともあります(涙)。

具体的には、証券会社や銀行などの設定している商品を選ぶということになるのですが、運用成績が悪ければ元本割れをしてしまうリスクがあるということですね。(リスクのない定期預金での運用もできます。ただし利率はもちろん低いです・・・)

個人型確定拠出年金は運用成績がマイナスのリスクがあるので、正直なところ日本ではあまり多くの人に利用されていないのが現状です。

「うーん、なんとなく怪しいぞ。パス!」ということでもいいのですが、もうすこし個人型確定拠出年金「イデコ(iDeCo)」についてみていきましょう。

イデコ(iDeCo)とは

2017年1月から、個人型確定拠出年金の制度が法律改正され新しいものと生まれ変わります。

それに伴い愛称を募集し、いでこ(iDeCo)に決定したのですね。

これまで企業年金に加入している方は個人型確定拠出年金に加入できなかったのですが、今回の法改正で2017年からは「イデコ(iDeCo)」に加入できるようになりました。

多くのサラリーマンの方も加入できるということですね。公務員や専業主婦の方も加入することができます。

たぶんこのブログを見ている皆さんも、加入しようと思えばできるというわけです。

で、一番大事なところなのですが、イデコ(iDeCo)にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

イデコ(iDeCo)のメリットとは

イデコ(iDeCo)のメリットは、税金面で優遇が受けられるということです。

具体的には

①.掛け金が全額所得控除されます。
②.運用益が非課税になります。
③.受け取るときも税制優遇(一時金は退職所得控除、公的年金控除)があります。

これは結構大きいです。

①の所得控除を見てみると、例えばサラリーマンの方が毎月2万円・年額24万円を「イデコ(iDeCo)」で運用した場合、もし自分の税額が20%だとしたら4万8千円が控除されるということです。

税額が30%だとしたら7万2千円が控除されますね。年末調整でお金が戻ってくるのはちょっとうれしいです。

しかし当然ながらいいことばかりではありません。「イデコ(iDeCo)」にもデメリットがあります。

「イデコ(iDeCo)」のデメリットとは?

イデコ(iDeCo)の大きなデメリットは、①.元本割れのリスクがあるということです。

せっかく300万円積み立てていたのに、受け取るときに200万円しかなかったということも起こる可能性があります。(まあ極端な話ですが・・・)

逆に大きく利益が上がる可能性もあるのですが、マイナスになるリスクもあるのは正直ちょっと怖いですよね。

この元本割れのリスクがこれまで個人型確定拠出年金の利用者がいまいち増えなかった理由だと思います。

そのほかのリスクも見ていきましょう。

②.管理手数料が必要
③.60歳までは資産を引き出すことができない。
③.特別法人税がいつ凍結解除されるか分からない
④.インフレリスク

いろいろなリスクがありますね。この中で一番きついのは、③の「60歳までは資産を引き出すことができない。」ということかもしれません。

普通に銀行や郵便局に預金をしていたらいつでもお金を引き出すことができますよね。

イデコ(iDeCo)は年金なので、一度加入すると原則60歳になるまで預けたお金を引き出すことはできません。

この先何十年と思い通りに人生が進んでいけば問題ないのですが、何かトラブルがあった時に対応することは難しいです。

うーん、ちょっときついですよね。

まあ年金とはそのようなものだと言ってしまえばそれまでですが、硬直化した資産運用となってしまいます。

そのほかのリスクでも例えばインフレになった場合、相対的に資産価値が低下するということもありますよね。まあこれは預金していても同じことですけどね。

まとめ

まあ「イデコ(iDeCo)」は国家的詐欺というわけではなさそうです。

しかし税金優遇というメリットと引き換えに、元本割れのリスクがあるのも確かです。

現在、自分で株式投資をしている方にとっては「いや、自分は株で稼ぐから」という方も多いでしょうし、投資をしたことがない方にとっては「元本割れが怖い」という方も多いでしょう。

ちょっと中途半端な商品のような気もしますが、税金優遇面は結構おいしいです。

毎月の最低掛け金が5000円からとなっていますので、それほどハードルは高くありませんが、基本的に60歳になるまでは解約・脱退ができません。

もし「イデコ(iDeCo)」に加入しようと考えている方は、途中解約・脱退が基本的にできないということをしっかりと理解したうえで加入する必要がありそうですね。