先ほどテレビを見ていたら、「過払い金を請求しよう」という弁護士事務所のCMが流れていました。
確か過払い金はそろそろ10年の時効を迎えるので、弁護士事務所は最後の追い込みをかけてるんですよね。
過払い金で一番儲けたのは間違いなく弁護士や司法書士などの法律家(一部法律家かな?)ですから、時効までのカウントダウンが始まった今、ラストスパートをかけているということですね。
過払い金を返してもらおう
過払い金が発生しても請求しなければもちろんお金を返してもらえません。
アコムやアイフルなどの消費者金融から、「過払い金があるのでお金返しまーす。」とは天地がひっくり返っても言ってきてくれないということです。
過払い金を返還してもらうために必要なことは?
過払い金が発生していること
過払い金が発生していなければもちろんお金を返してもらうことはできません。それでは過払い金が発生するための要件はどのようなものがあるのでしょうか。
1.利息制限法を超える利息(金利)でお金を借りていたこと。
民法には利息制限法という法律があります。一方、商法には出資法という法律があります。
利息制限法で設定されている上限金利は、10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%となっています。
出資法で設定されている上限金利は、それよりも高い金利となっていました。(現在は20%に変更)
・利息制限法による金利
利息制限法 | 金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
・出資法による金利の変遷
出資法 | 金利 |
---|---|
1991年11月 | 年40.004% |
2000年6月 | 年29.2% |
2010年6月 | 年20% |
この利息制限法と出資法との金利の差のことを「グレーゾーン金利」と呼んでいたのですが、このグレーゾーン金利は2007年12月19日から施行された改正貸金業法で廃止されてしまいました。
ですので2007年12月19日以前に、消費者金融でお金を借りたことのある人は過払い金が発生している可能性があるということになります。
実際に大手消費者金融が金利を引き下げたのは以下の年月日になります。
会社名 | 金利を引き下げた日 |
---|---|
アコム | 2007年6月18日 |
アイフル | 2007年8月1日 |
プロミス | 2007年12月19日 |
この年月日以前はグレーゾーン金利でお金を貸していたということですね。
2.おおむね5年程度以上借金(債務)の返済を続けていたこと。
返済期間が長ければ長かったほど、グレーゾーン金利を支払っていたということになります。
ですので自転車操業で何年も消費者金融を利用していた方ほど過払い金が発生している可能性があります。 |
この2点にあてはまっている方は、過払い金がある可能性があります。一度過払い金請求を考えてみるといいと思います。時効が迫っていますからね。
冒頭でも述べたように、過払い金は請求しなければ返してもらえません。貸金業者から親切に返還してはくれないので注意してください。
請求先の消費者金融が倒産していないこと
過払い金請求が認められてから、多くの消費者金融の経営が厳しくなりました。
実際に武富士などの大手も倒産してしまいまし。
残念ながら武富士のように請求先が倒産してしまっていると、過払い請求をすることはできません。
ほんのわずかの配当を受け取れる可能性はありますが、かなり難しいといってもいいでしょう。
時効になっていないこと
過払い金請求の権利が時効になってしまうと、もう過払い金返還請求はできません。
残念ですが、時効が来る前に請求をしなくてはいけないのです。
それでは過払い金請求の時効はいつやってくるのでしょうか?
過払い金請求の時効はいつ?
民法で消滅時効は10年と定められています。ですので10年経過してしまうと時効となりもう過払い金の請求はできません。
ですので理論上は改正貸金業法で金利が変更された2007年12月19日から10年が経過する2017年には、過払い金請求は多くのケースで時効になり終わってしまうということです。
多くのケースといいましたが、時効にならないケースもあるのでしょうか?
2017年以降も時効にならないケースとは?
この10年の消滅時効は取引開始から10年というものではなく、最後の取引から10年ということが平成21年に最高裁判所で判断されました。
ですので借金を完済して取引を終了してから10年間後に時効がやってくるということになります。
例えば借金を完済したのが2010年1月1日だったとしたら、時効は2020年1月1日ということになりますね。
このように2017年にすべての過払い金が時効を迎えるわけではありません。
もちろん総数は減少していくでしょうが、まだしばらくの間は過払い金請求が続いていくでしょう。
過払い金請求は減っているのか?
実際のところ過払い金請求は減ってきているのでしょうか?
大手のアコムが毎月の過払い金の返還請求数を公表しているので見てみましょう。
引用元: アコムの事業
これを見ると、2014年の後半から過払い金請求の件数がまた増えてきていますよね。
これは皆さんもお気付きのように、多くの弁護士事務所や司法書士事務所がテレビCMで過払い金請求の追い込みをかけ始めた時期と重なります。
ラストスパートが始まったころですね。
2015年後半はやや減少してきているので、過払い金請求の件数はピークアウトしてきているようです。
これだけCMで掘り起こしているのにかかわらず請求件数が減少してきているので、今後は徐々に減ってくるのではないでしょうか。(急に減るのかどうかは微妙なところです。)
貸金業者の業績はどうなるのか?
過払い金請求は貸金業者の経営の大きな足かせとなっています。
すでにピークは過ぎた感がありますが、現在も多額の利息返還金を支払っています。
最近の法律事務所の頑張りを見ていると、もう少し過払い金請求ブームは続くのではないかと感じています。
アコムやアイフルの業績推移をチェックしているのですが、いまいち過払い請求件数が減ってこないんですよね。
法律事務所のテレビCMが少なくなってきた頃が、過払い請求の終焉といえるかもしれませんね。
まとめ
過払い金請求のラストスパートが始まっています。法律事務所のテレビCMがたくさん放送されていることからもよくわかりますね。
2017年にはグレーゾーン金利が廃止されて10年が経過するので、過払い金請求が徐々に減少に向かうのではないでしょうか。
1.利息制限法を超える利息(金利)でお金を借りていたこと。
2.おおむね5年程度以上借金(債務)の返済を続けていたこと。
上記2点の条件を満たす方は、過払い金が発生している可能性があります。
過払い金は請求しなければ返還してもらえないので、一度過払い金が発生しているのかを調べてみるといいと思います。
さらに完済して取引が終了してから10年で時効となってしまいますので、お早めにどうぞ。