東京医科歯科大学のグループが、薄毛防止・薄毛改善のための論文を米科学誌サイエンスに発表したというニュースが飛び込んできました。

「ついに薄毛防止のために方法が分かったのか!」

このように抜け毛に悩んでいる方などは思ったでしょう。

今回の東京医科歯科大学のグループの薄毛改善方法について調べてみました。

どのような論文だったのか?

今回の論文を発表したのは、東京医科歯科大学・難治疾患研究所・幹細胞医学分野の西村栄美教授、松村寛行助教、毛利泰彰特任助教らとなっているようです。

東京医科歯科大学のグループが発表したのは、「加齢とともに髪の毛が薄くなる仕組み」を解明したということのようです。

20代で薄毛になってしまうのを若ハゲといいいますが、今回の発表では加齢によって薄毛になってくるメカニズムを解明したということですね。

若ハゲの人はがっかりしたかもしれませんが、薄毛になるメカニズムが解明されれば、それが若ハゲの改善にも生かされてくる可能性があります。希望を持ちましょう。

では具体的にはどのような論文だったのでしょうか。

西村栄美教授や松村寛行助教は、これまでも幹細胞の研究をしてきた方のようです。

現在西村栄美教授は、

・「幹細胞制御に着目した毛包の再生・老化ダイナミクスの解明から応用まで」

・「色素幹細胞における老化ストレスと幹細胞の運命制御 」

などの研究をしており、

過去には、

・「色素幹細胞システムに着目した白髪のメカニズム解明と有色皮膚再生への応用 」

・「抜去毛に付着する色素幹細胞および毛包上皮幹細胞に着目した有色皮膚再生技術の開発 」

・「色素幹細胞の質的変化に着目した白髪発症機序の解明と老化解明へのアプローチ 」

などの研究をしていたようです。

今回もこの幹細胞に着目した研究で、

● 加齢による薄毛・脱毛の仕組みを明らかにしました。
● 歳をとることで毛包幹細胞においてDNAのダメージが蓄積してくると、幹細胞維持に必要な蛋白質の分解がひきおこされ、毛包幹細胞が表皮角化細胞へと分化しながら皮膚表面へと移動して落屑していくため、毛包が小さくなり消失することをはじめて示しました。
● 幹細胞を中心とした組織・老化プログラムが存在することを示しました。
● 加齢に伴う脱毛症のほか、加齢関連疾患の病態解明と新規治療法開発への応用が期待できます。

ということがわかってきたようです。

わかりやすく言うと、「年を取るとハゲてしまう理由がわかりました!毛包幹細胞の老化が原因ですぜ!」ということのようです。

毛穴には「毛包(もうほう)」という器官があるのですが、この毛包の幹細胞が加齢に伴い徐々に消えてしまうため、脱毛が進んでしまうということですね。

毛包幹細胞の老化

毛包、簡単に言うと毛穴が小さくなって髪の毛が細くなる。その結果髪の毛が抜けてしまうということは男性型の脱毛症、いわゆる若ハゲの原因のひとつとして知られていますよね。

同じようなことが加齢による脱毛症でも起こっているということです。

毛包幹細胞の老化を止めて薄毛を防止できるの?

それでは、加齢に伴う脱毛症の原因である毛包幹細胞の老化をストップすることはできるのでしょうか。

そのカギを握っているのが、「17型コラーゲン」という物質のようです。

「17型コラーゲン」が過剰に分泌されるように遺伝子操作されたマウスでは、毛包幹細胞の老化をストップできたのです。

17型コラーゲンとは?

それではその「17型コラーゲン」とはどのようなものなのでしょうか。

「17型コラーゲン」とは、毛包幹細胞の周辺にあるたんぱく質で、「17型コラーゲン」は加齢に伴って徐々になくなっていってしまうのですね。

「17型コラーゲン」がなくなることにより、加齢による脱毛症、わかりやすく言うと年を取るとハゲてしまうというメカニズムになっているようです。

「だったら17型コラーゲンを食べればハゲにならないの?」と考える人は多いと思います。私も思いましたW

残念ながら、コラーゲンを含むすっぽんなどのいろいろな食品、またはコラーゲンドリンクやサプリメントを食べても、この17型コラーゲンを増やすことはできないようです。

正確には、17型コラーゲンを摂取してもそれが体内でどのような作用をするのか、まだ現在のところよくわかっていないということのようです。

ですので西村栄美教授は、5年から10年程度をめどに効果的な薬の開発を目指しているようですね。

まとめ

年齢とともに髪の毛が薄くなる仕組みが、東京医科歯科大学のグループにより解明されました。

加齢による薄毛・脱毛症は、毛穴にある毛包の幹細胞が加齢によりなくなってしまうことが原因とのこと。

毛包幹細胞は、「17型コラーゲン」により消滅することを防ぐことができる。

「17型コラーゲン」を毛包幹細胞に影響を与えるように効果的に摂取する方法は現在のところ不明。

効果のある薬の開発には、5年から10年程度かかりそうとのこと。

現在のところメカニズムが分かったけれど、まだまだすぐに薄毛が改善できるわけではなさそうですが、以前からコラーゲンが薄毛改善にいいという話はありました。

コラーゲンを口から摂取しても「意味がない」、「いや意味がある」という論争は現在も続いていますが、実際効果を実感している人は多いんですよね。(まあプラシーボ効果という話もありますが)

私も一時期コラーゲンを摂取していましたが、髪の毛への効果というよりもお肌がいい感じになったという実感がありました。

まあコラーゲンは体内に入るとアミノ酸に変わるそうなので、健康には良さそうです。

そういえば薄毛が改善した時期によく鶏皮を食べていた気がしますが、それがよかったのでしょうか?

うーんそれは謎ですが、鳥皮は大好きなのでこれからも健康のために積極的にコラーゲンを摂取することにしたいと思います。