服部桜という力士をご存知の方はいらっしゃるでしょうか。
私は全く知りませんでしたが、大相撲式秀部屋に所属する力士さんです。
いまこの服部桜君が話題になっているのですが、あまりうれしくない理由で話題になっています。
その理由は、3度にわたる敗退行為というものです。さてどのようなものだったのでしょうか。早速見てみましょう。
うーん、正直驚きました。まさかのヘッドスライディングです。
明らかに自分から負けようとしていますよね。いわゆる敗退行為というやつです。
なぜこんなことが起こったのでしょうか。
相撲を取るのが怖かった?
まず最初に考えられるのは相撲を取るのが怖かったということですよね。
しかしこれまで服部桜君は、1勝36敗1休と40回近い取り組みをしてきています。(それにしても服部桜君は1勝しているのですね。逆にどのような相手に勝ったのか興味があります。どんな取り組みだったのでしょうか。)
これまで話題になっていなかったということは今回のような敗退行為は今までなかったということでしょう。
今回の敗退行為の対戦相手は、元アームレスリングの全日本ジュニア2位の実績を引き下げ角界入りした錦城という力士で、たしかに184センチ、129キロと立派な体格をしています。
私たち一般人なら確かに怖い相手ですが、服部桜君も力士の端くれですからね。さすがに怖さから逃げたわけではないでしょう。
と思ったら怖かったようです・・・。
十両以上の関取は15日間で毎日相撲を取るが、幕下以下は15日間で7番。服部桜の次の取組は6日目にやってきた。
相手は白ノ富士(25=伊勢ケ浜)。服部桜は1回で立ち合った。もろ手突きでいった。あっけなく押し出された。
あの取組が話題になったため、この日は多くの報道陣に囲まれたが、逃げることなくすべての質問に応じた。
3日目の取組は、どういう事情でああなったのか?「こないだの相撲は、ちょっと怖かった。負けても仕方ないなと…」。胸の内を明かした。師匠の指導で、立ち合いは改善した。「もう前の相撲は忘れて、今日から新たに頑張りたい。親方との約束なんで、もうああいうことはしない。あの相撲は僕が悪かった。相手にも悪いことをした」。話している間、表情は変わらなかった。
引用元: 序ノ口力士の敗退行為と今後
うーん、単純に怖かったのですか。
大相撲といえば八百長行為が話題になりましたが、これも正直なところ八百長ですよね。
まあ序の口力士の取り組みが賭けの対象になっているとは思えませんが、プロスポーツとしては結構ゆゆしき問題だと思います。
序の口の取り組みは、素人のような少年と大学まで相撲に打ち込んできた150キロもあろうかという戦士が取り組むこともあるのですが、大きな事故がこれまで起こったことはないのでしょうか。ちょっと心配になります。
この服部桜君は身長が180センチと一般人としては大きいのですが、体重は70キロなのでほぼ一般人体形です。
もう少しきっちりとけいこをしてから土俵に上がったほうがいいような気もするのですが、大相撲の相撲部屋経営の視点で見てみるとちょっと面白いものが見えてきます。
1人につき毎月15万円の収入
実は幕下以下の力士が相撲部屋に所属していると、いろいろな名目で年間180万円が協会から相撲部屋に支払われます。
これらを合わせると、幕下以下の力士1人ごとに84万円+96万円で年間180万円に上る。つまり、人数に比例して収入が上がるため、親方もそう簡単に弟子をクビにできない。本来ならば出世の見込みのない力士には師匠が引退勧告をすべきだが、潔くそれができるのはほんの一握りだ。
これは力士が強かろうと弱かろうと関係ありません。毎月15万円の安定収入が得られるということです。
もし一つの部屋に幕下以下の10人の力士がいれば、毎月150万円の収入ということです。
部屋を安定して運営していくという視点から見ると、力士が強かろうが弱かろうが関係ないということですね。まず数が大事なのです。
個人をで考えると、服部桜君が部屋に所属していることで、毎月15万円の収入があるということです。
なるほど、こう考えると部屋を安定的に運営していくには力士の数を増やす必要があるということですね。
今回の服部桜君の無気力相撲は単純に本人が怖かったというものかもしれませんが、ひょっとすると序の口には同じような気持ちで相撲を取っている力士がその他にもいるのかもしれませんね。
よくブラック企業の周辺では、「辞めたいけど辞めることができない」という話をよく聞きますが、大相撲ではそのようなことがないことを願いたいと思います。