「人工芝に発がん性物質!?」
このようなニュースが数日前から世間を騒がせています。
これは、アメリカで人工芝における健康被害がものすごく増えていることから、大きな問題となっているようです。
2016年2月12日、米消費者製品安全委員会は環境保護局、疾病対策センターと共同で人工芝の充填(じゅうてん)剤の原料として使われている廃タイヤの化学物質の危険性について調査を開始すると発表した。
米メディアでは、人工芝の健康被害について報道が相次いでおり、今回の政府の調査開始は、事実上、がんとの関連性を認めたものと受け止められている。
人工芝のゴムチップの存在については知っていたのですが、これらが発がん性のある危険な物質だということは知らなかったです。
タイヤにはふつうカーボンブラックが混合されていますが、このカーボンブラックには発がん性があるのですね。
「カーボンブラックは純粋な炭素分子ではなく、表面には様々な官能基が残存しており、これが発癌性を持つ可能性がある。国際がん研究機関 (IARC)はグループ2B(ヒトに対する発癌性が疑われる)に分類している。」(ウィキペディア)
もしタイヤチップに発がん性があるとしたら、確かにゴールキーパーは特に危険がありますよね。
これはアメリカだけの問題なのでしょうか。日本では大丈夫なのでしょうか。
日本の人工芝
アメリカでは廃タイヤをゴムチップとして利用していることから、特にゴールキーパーに健康被害が生じました。
確かにゴールキーパーは常にグラウンダーのシュートに対応するため、顔が人工芝に接触することも珍しくないですよね。
東京ドームなど野球場でも人工芝が使われ、チップがまかれていますがゴールキーパーほど人工芝に顔が接触する機会はないと思います。
そう考えるとやはりサッカー、特にゴールキーパーが危険なのでしょうね。
同じく人工芝を利用している日本のサッカー場は大丈夫なのでしょうか。
サッカー福島Jヴィレッジ
サッカー場の人工芝におけるゴムチップについて調べていたらこんなサイトを発見しました。
この度、日本フットボールヴィレッジが運営する総合サッカートレーニング施設「Jヴィレッジ」(福島県)に、新タイプのゴムチップ入りロングパイル人工芝「ハイブリッドターフ」1.5面(屋外フルサイズサッカー場1面7,850m2、屋根付きハーフサイズ練習場3,800m2)を納入しました。
2002年とかなり古いものなのですが、古いゆえに心配です。
このサイトには、「充填された細粒ゴムチップは廃タイヤを粉砕したリサイクル材料で、乗用車タイヤ換算で約8,600本分に相当します。」と記載されています。
アメリカで発がん性が懸念されている廃タイヤによるゴムチップが使われているということを考えると、日本でもこれまでに健康被害があった可能性があるということですよね。心配です。
今回たまたまこのサイトを見つけましたが、このように廃タイヤをゴムチップとして人工芝の充填剤に使うことは日本でも珍しいことではありません。多くの企業で一般的なものとして廃タイヤのゴムチップは利用されています。
それだけにもし本当に健康被害の影響があった場合が心配になりますね。
そもそもタイヤは大丈夫なの
今回は廃タイヤのゴムチップが問題となっていますが、そもそもタイヤそのものは大丈夫なのでしょうか。
タイヤの摩耗粉塵についての健康被害というのは聞いたことがないですよね。
スパイクタイヤでアスファルトが削れてしまう「アスファルト粉じん」については以前に問題になったのですが、タイヤに関しては知らないです。
タイヤというものは粉じんをまき散らすほどすぐにすり減るものではないので、あまり問題にならないのでしょうか。確かにドリフトでもしない限りタイヤが急にすり減るということはなさそうです。
じんわりと影響があるのかもしれないですが、まあ世の中にはたばこやアルコールなどもっと健康に影響を与えるものがたくさんありますからね。あまり気にしすぎてもしょうがないのかもしれません。
タイヤがなければ車が動かないわけで、車から受ける恩恵を考えるとそんなに考えても仕方ないのかな。
今後の人工芝のチップ問題はどうなる?
人工芝のチップ問題ですが、まだアメリカでも米消費者製品安全委員会や環境保護局、疾病対策センターが危険性について調査を開始すると発表した段階なので、正直今後どうなっていくのかわかりません。
日本でも今回の記事を受けて、初めてチップによる健康被害を受けていたことを知る方が出てくる可能性があります。
たぶんこのアメリカの記事だけで日本の行政が動くとも思えないので、日本で複数の健康被害が確認されたなら重い腰を日本でもあげるという感じになるのではないでしょうか。
日本で健康被害が起こっていないことが一番いい結果なのですが、もし健康被害があるのなら、何らかの対策を早急にしてもらいたいものですね。