歯医者さんにお世話になった方は多いと思います。
虫歯菌(ミュータンス菌)が口の中に存在しなければ虫歯にならないそうですが、残念ながらほとんどの方の口の中には虫歯菌が存在しています。
私の知り合いに歯を磨かなくても全く虫歯にならない人がいますが、うらやましいかぎりです。
ただミュータンス菌が口の中におらず虫歯にならない人でも、歯周病はまた別の細菌によって引き起こされるので注意が必要となるようですね。
虫歯にならないからと油断していると、歯周病菌で歯が抜けてしまうこともあるということです。
昨日の「雨上がりのAさんの話」では、歯医者さんの裏事情について放送されていました。
結論としては「よい歯医者に出会いたければ、ちゃんとゴムをしてからやってくれる人を探せ!」というものでした。
私自身はきちんと歯を磨いているつもりなのに結構虫歯になりやすく悩んでおり、歯科治療についていろいろと調べたことがあるので、今回のこの結論の意味が分かりました。
「ラバーダム」のことをいっているのですね。
それでは、「ラバーダム」や歯医者さんの裏事情について見ていきましょう。
目次
虫歯になる人は減ってきている
歯医者さんでの治療は、ほとんどが虫歯治療となりますよね。
しかしながら最近は、虫歯になる人が減ってきています。
一人当たりの平均虫歯本数は、昔(平成5年)は平均4本の虫歯があったのですが、最近は平均2本以下まで減ってきているようです。
虫歯はきちんと食後の歯磨きをしていればある程度防げますし、最近は歯間ブラシなどを利用している方もたくさんいます。
私も歯間ブラシを利用しているのですが、確かに虫歯になる確率は低くなっていると実感しています。(それでも虫歯ができるのは納得いきませんが・・・)
そもそも虫歯ができるメカニズムとはどのようなものなのでしょうか。
虫歯ができるメカニズム
虫歯を語るうえで大事になってくるのは「唾液」です。
歯磨きをよくするのに虫歯になってしまう人と、あまり歯磨きをしないのに虫歯になりにくい人の差は「唾液」の差が大きいようですね。
食事をすると酸が発生しその酸が歯を溶かします。しかし唾液の力が強いと溶けた分をきちんと修復してくれるのです。
しかしながら唾液の力が弱いと、修復が追い付かなくなり虫歯となってしまうのですね。
虫歯予防の意識が向上
このような虫歯のメカニズムが解明され、虫歯予防の意識も高くなってきました。
食後にキシリトールのガムをかむ方も増えてきていますよね。このキシリトールの普及も虫歯の減少に貢献しているのではないでしょうか。
キシリトールは、虫歯菌であるミュータンス菌の活動を弱め、プラークをつきにくくしたり剥がしやすくする効果があります。
また歯を再石灰化する効果もありますね。
虫歯予防の意識が向上することで、先に述べたように虫歯の平均本数も20年間で半減してきているということです。
しかし一方で、歯医者さん(歯科医療機関)の数は年々増えてきているのが実際のところです。
実は歯医者さんの数はコンビニの数よりも多いのですね。
そうなると、歯医者さんの経営も厳しくなってきており、歯科医院の6%は赤字経営で、歯科医の5人に1人は年収300万円以下となってしまっています。
こうなってくると一部では、一人当たりの治療費を増やそうと考える悪い歯医者さんも出てきてしまうというのが世の常です。
それでは悪い歯医者さんは、具体的にどのようにして治療費を増やし、利益を上げているのでしょうか。
悪い歯医者さんの手口
「この歯医者がヤバい!」という本の著者であるサイトウ歯科の斎藤正人院長が悪徳歯医者の手口・恐るべき実態について教えてくれました。
保険診療と自由診療
歯医者の治療には、保険診療と自由診療の2種類があります。
自由診療だと、歯医者さんがその価格を自由に決めていいということになります。極端な話10万円でも20万円でもいいということです。
そうなると、保険診療の患者10人を診察するよりも、自由診療の患者1人を見たほうが儲けることができてしまうということになるのですね。
自由診療の代表的なものに、「歯科矯正」や「ホワイトニング」がありますが、最も悪徳歯医者がぼろもうけしているのが「インプラント治療」になります。
インプラント治療の実態
インプラントとは、歯を失った部分に金属の土台を打ち込み、人口の歯を形成する術法のことです。
芸能人でピカピカの歯をしている方がいますが、芸能人はすべての前歯をインプラントにしている方も珍しくありません。
インプラントは良心的な値段でも1本40万円ぐらいするのですが、悪徳歯科医になると1本100万円というところもたくさんあるようです。
インプラントの原価は3万円から5万円程度なので、あとの金額は技術料として丸儲けになるということです。
さらに悪徳な歯医者は、ちょっと虫歯になっているだけでインプラントを勧めたり、なかには「抜かないとがんになります」などと嘘をつくそうなので注意が必要です。
もちろんきちんとインプラントに取り組んでいる歯医者さんもたくさんいるようですが、インプラントの実態についてきちんと知っておくことは患者側も大事になってくるのではないでしょうか。
自分の身は自分で守らなければならないですからね。自由診療には危険が潜んでいるということです。
それではインプラントのような自由診療ではなく、保険診療は安全安心かというとそうでもないというのが実態だそうです。どのようなことなのでしょうか。
保険診療だけでは歯医者は生きていけない
日本の保険診療は、アメリカなどと比べてかなり安い診療報酬となっているようです。
例えば根管治療の平均治療費を見ると、アメリカでは約7万円なのに対し、日本では約5千円となっています。
これを数で換算すると、日本の歯科医は1日に30人診察しないと保険診療では黒字にならないのが現状のようです。
すると一部の歯医者さんはどのようになるかというと、手抜き&架空請求に手を染めてしまうそうです。
うーん手抜きをされてしまうと患者側としては大問題ですよね。
それではどんな診療をしている歯医者さんなら、信頼して治療を任せることができるのでしょうか。
信頼できる歯医者さんの治療方法
歯医者が通う歯医者について、歯科医の高野仁男先生がいい歯医者さんの裏事情を教えてくれました。
高野先生によるといい歯医者さんとは、「菌のコントロールができている歯医者さん」だそうです。
実は大人の虫歯はほとんどが治療した虫歯の再発となっています。
虫歯の再発を防ぐためには、治療時に虫歯菌をコントロールして減らし、再感染を防ぐことが大事になってきます。
例えば滅菌を十分にしていない器具を使った場合、虫歯になったり、歯周病になったりする場合があります。
さらに、他人のC型肝炎ウィルス・HIVウィルスなどが感染してしまうこともあり得るのですね。
ですので専用の機械を使って、患者ごとにすべて滅菌をしなければならないのですが、例えば歯を削る器具の使いまわしを7割の歯科医でしているという衝撃的なデータもあるのです。
また口の中にはたくさんの菌があるので、菌が再び移らないようにするために、清潔にしてから虫歯治療をする必要があります。
この口の中の菌が写らないよう清潔にしている歯科医を見分ける方法はどのようなものがあるのでしょうか。
ラバーダムをしている歯科医は菌のコントロールができている
菌のコントロールができている歯科医を見分けるには、「ラバーダム」を使用しているかどうかを見るという方法があります。
高野先生は、ラバーダムを使用していない歯医者さんにはいかないそうです。
ではラバーダムとは何なのでしょうか。
ラバーダムとは?
ラバーダムとは、ゴムでできた薄いシートのことで、このラバーダムを歯科治療で使うのですね。
ラバーダムに穴をあけて、歯を通し金具で固定します。
そうすると、治療する歯以外はラバーダムで隠された状態になります。
ラバーダムを付けることによって、治療する歯に唾液がつきにくく再感染を防ぐという効果があるのですね。
また治療器具などの落下防止の効果もあります。
ラバーダムを使用すると、実際にどのような効果があるのかというと神経の治療をしたときの成功率が上がります。
根管治療の際のラバーダム使用時の虫歯再発率は10%以下になりますが、不使用の場合は50%以上になってしまうのですね。
しかしながら、普通ラバーダムを使用している歯医者はほとんどないですよね。
このラバーダムは最新の治療というわけではなく、歯科大学で基礎として教えられる一般的なものです。
実際アメリカでは、9割の歯科医でこのラバーダムが使用されています。一方日本で必ずラバーダムを使うのはわずか25%の歯科医に限定されています。
ではなぜ日本ではラバーダムがほとんど使用されていないのでしょうか。
ラバーダムが使われない理由
なぜ使われないのかというと、単純に面倒くさい、時間がかかるからだそうです。
またこのラバーダムは、現在保険診療で診療点数がつかないので、費用を請求できなくなってしまっているのです。
そういうこともあり、ラバーダムを使用する歯科医が少ないということなのですね。
うーん、これは患者目線じゃないですよね。
確かにきちんと患者のことを考えてラバーダムを使ってくれる歯科医は、いい歯医者さんだと言えそうです。
冒頭の「よい歯医者に出会いたければ、ちゃんとゴムをしてからやってくれる人を探せ!」というのは、「ラバーダムをしてから治療してくれる歯科医を探せ!」ということなのですね。
最近はネットで歯科医の口コミ・レビューを見ることができます。また歯科医のホームページも充実しています。
きちんとラバーダムを使用している歯医者さんを探すことも可能だと思います。
ですのでラバーダムを使用して、患者目線の治療をしてくれるいい歯医者さんを探すといいのではないでしょうか。
私自身も現在の歯医者さんから鞍替えする必要があるかもしれません。
うーん、慣れ親しんだ歯医者さんを変更するのは悩むところですが、きちんとした治療が第一なので、変更せざるを得ないのかな?