糖質制限ダイエットの第一人者である桐山秀樹さんがお亡くなりになられたそうです。

桐山秀樹さんは、「糖質制限ダイエット」に関する自身の体験談を著した「おやじダイエット部の奇跡」がベストセラーになったことで有名な方です。

3週間で20キロの減量に成功したということで、その後多くの方に「糖質制限ダイエット」が浸透していきました。

今回の突然死と「糖質制限ダイエット」は因果関係があるのでしょうか。

そもそも糖質制限ダイエットとは?

「糖質制限ダイエット」とは、その名の通り「糖質」を制限することによるダイエット方法です。

「糖質」に含まれる食品は、ご飯・パン・麺・イモ類などの炭水化物や、根菜類、果物、乳製品などとなります。

食べられないもの

米・小麦
⇒日本人の主食である白ご飯やパン、その他にも米でできたビーフンなども含みます。また小麦から作られた麺なども当然だめです。

イモ類
⇒サツマイモ・ジャガイモ・里いもはもちろんのこと、でんぷんから作られた春雨やマロニーや葛きり、片栗粉などもダメです。

根菜類
⇒ニンジンや玉ねぎなど甘みのでるものは基本だめです。

果物
⇒バナナなど糖質が多いものはダメです。

乳製品
⇒ヨーグルトに含まれる乳糖などはダメです。また加工牛乳も控えたほうがいいそうです。

こう見ると食べられるものがなくなってしまう感じがしますが、たんぱく質や脂質は食べても大丈夫な食品となっています。

食べることができるもの


⇒牛肉・豚肉・鶏肉など肉類は食べても大丈夫です。ハム・ベーコン・ソーセージなどの加工品もOKです。


⇒魚は積極的に食べても良い食品です。また貝類・エビ・タコ・イカなども食べても大丈夫です。

乳製品
⇒チーズ・生クリーム・バターなどは食べても大丈夫です。ヨーグルトも無糖のタイプなら食べることができます。

その他にも、卵・大豆・野菜類・ナッツ類・きのこ類も食べることができますし、サラダ油やマヨネーズなども食べることができます。

糖質制限ダイエットで痩せるメカニズムは?

糖質制限ダイエットで痩せるメカニズムは、「糖質」の摂取を制限することによりインシュリンの分泌を抑えるというものです。

「糖質」の摂取すると血糖値が上昇するので、血糖値を抑えるためにインシュリンが分泌されます。

このとき余分なインシュリンが中性脂肪を作る原因であることに着目して、「糖質」を制限して中性脂肪を作らないようにしてダイエットをするというものなのですね。

炭水化物抜きダイエットとの違いは?

「炭水化物抜きダイエット」や「低炭水化物ダイエット」も流行していますよね。「糖質制限ダイエット」と違いはあるのでしょうか。

これらはほとんど同じものと考えてもいいのではないかと思います。

「炭水化物抜きダイエット」や「低炭水化物ダイエット」も、炭水化物を中心に「糖質」に変換されるものを制限してダイエットするという方法なのですね。

「糖質制限ダイエット」は危険なのか?

「糖質制限ダイエット」の危険性についてはいろいろな論文で指摘されています。

低炭水化物ダイエットと死亡率との間に長期的な関連性に関するデータ

2010年にハーバード大学で、男性44,548人と女性85,168人による低炭水化物ダイエットと死亡率との間に関連かあるかどうかの調査が行われました。(男性は20年間、女性は26年間調査)

結果
動物食をベースとした低炭水化物ダイエットを行った男女
⇒死亡率が増加

野菜食をベースとした低炭水化物ダイエットを行った男女
⇒死亡率が減少

糖質制限食による死亡・心血管疾患リスクの検証

糖質制限(低炭水化物)食は短期的な体重減量や動脈硬化リスクファクター改善に有効であることが示唆されているが,長期的なアウトカムや安全性は不明である.我々は低炭水化物食による死亡・心血管疾患リスクの系統的検証を行った。

結論
低炭水化物食による長期的な効用は認めず,死亡リスクが有意に増加することが示された。

この他ギリシャやスウェーデンでの研究結果でも、「糖質制限ダイエット」による肉を中心とした高たんぱくの食事により、死亡率が高くなってしまうというデータが出ているようです。

こうしてみると、やっぱり「糖質制限ダイエット」や「低炭水化物ダイエット」はかなりリスクが高いような気がしますね。

特に、三食すべてで炭水化物を抜いたりする極端な「糖質制限ダイエット」は危険がある可能性が高いのではないでしょうか。

ライザップも「糖質制限ダイエット」なの?

「ブーブッブッ」のCMで有名になったライザップも「糖質制限ダイエット」ですよね。

正確には「糖質制限ダイエット」に筋トレを組み合わせたダイエットですが、これはリスクがないのでしょうか?

ライザップでは肉を食べることは結構推奨されていますよね。

また水を多く飲むように指導されており、これは腎臓の負担を軽くするためらしいのですが、今回のニュースを見ると極端な「糖質制限ダイエット」は心配になります。

フジテレビの「めちゃイケ」で、ナインティナインの岡村さんがライザップでダイエットをしていましたが、ほとんど糖質を摂取していませんでしたよね。

確かに「糖質制限ダイエット」をしながら筋トレをすると痩せることはできるでしょうが、肉など高タンパクなものを食べすぎるとハーバード大学の論文のように危険性を感じますし、野菜中心だと力が出ないでしょうし難しいところです。

以前チュートリアルの徳井さんがダイエットをして有名になった「吉川メソッド」というダイエット方法も、「糖質制限ダイエット」をしながら筋トレをするものでしたよね。

やはり「糖質制限ダイエット」は、体重を減らすという結果は表れやすいということなのでしょうか。

医師の指導のもと「糖質制限食」

京都にある高雄病院の江部康二先生は「糖質制限食」を指導している医師の先生ですが、糖尿病患者さんは「糖質」を控える必要があるので、糖尿病の治療方法として「糖質制限」はかなり有効なもののようです。

高雄病院や江部診療所で糖質制限食を指導している患者さんに対しては、当然、医師としての責任が生じます。

私達の指導している患者さんは、過去3000人以上ですが、「糖質制限で生理が止まって、腎機能が滅茶苦茶」というような方はおられません。

糖尿病患者さんが主なので、まあ、40代以上の方がほとんどですが・・・。

「糖質制限ダイエット」はきちんと指導者のもので行わないとリスクが結構高いと考えられますので、きちんとした医師の指導のもと行う必要があるのではないでしょうか。

江部康二先生は「糖質制限ダイエット」の第一人者ですが、糖尿病患者さんが主な患者さんとなっているようです。

糖質制限ダイエットと急死との因果関係はあるのか?

では、糖質制限ダイエットと桐山秀樹さんの急死との因果関係はあるのでしょうか?

うーん、これは正直分からないですね。

ただ「糖質制限ダイエット」はきちんとした医師の指導の下で行わないと、危険性があるものだと私は感じています。

そもそも「糖質制限ダイエット」に挑戦しようと考える方は、そもそも1日の「糖質」摂取量が多すぎる場合がよくあると思います。

ですのでそのような方は、まずは1日の「糖質」摂取量を一般人の摂取量程度にしてみるところから始めてみるといいのかもしれません。

食べ過ぎない程度にちょっと控えるぐらいならリスクはないでしょうからね。

まとめ

「糖質制限ダイエット」は、「炭水化物抜きダイエット」とおなじく炭水化物など「糖質」を制限するダイエット方法です。

痩せるということに関しては優秀な方法かもしれませんが、いろいろな論文でその危険性が発表されています。

ライザップなども「糖質制限ダイエット」に筋トレを組み合わせたものですが、そのリスクはいろいろなところで論じられています。

今回の「糖質制限ダイエット」と桐山秀樹さんの急死との因果関係は不明ですが、「糖質制限ダイエット」をする場合は、きちんとした医師の指導の下で実行したほうがいいのではないでしょうか。