日本人は無類のお寿司好きですよね。もちろん私もお寿司が大好きです。

しかしおいしいお寿司屋さんをどのような基準で選ぶのかというと、自分自身で行ってみなければなかなかわからないというのが実際のところです。

一昨日放送されたABCテレビ「雨上がりのAさんの話」で、「おいしいお寿司屋さんの選び方」について放送されていました。

どのようなお寿司やさん業界の裏事情が放送されていたのでしょうか。

おいしいお寿司は値段が高い

おいしいお寿司は値段が高いですよね。私などには縁のない話ですが、銀座でお寿司を食べると3万円以上必要となることも珍しくないようです。

私たち庶民はできるだけ安くておいしい寿司を食べたいというのが本音です。

そこで番組では、「安いのにおいしい寿司を食べたければ1・2・3ではなく2・1・3と並べるお店を探せ」と話していました。

うーん、何の事だかわかりませんよね。それでは具体的に見ていきましょう。

そもそもお寿司の値段はどう決まるのか

そもそもお寿司の値段はどう決まるのでしょうか。

飲食人大学の統括講師である高田正光さんによるとお寿司の値段は、「ネタ代」「店舗代」「技術料」に分けることができるようです。

まあそうですよね。

「ネタ代」はもちろん必要ですが、店を構える必要があるので「店舗代」も必要となってきますし、いい職人さんの「技術料」も必要となってきます。

まずはネタ代についてみていきましょう。

ネタ代をどう安くするのか?

ネタ代を安くするにはどのような方法があるのでしょうか。

ここで注意したいのは、悪質な方法でネタ代を安くしている寿司屋があるということです。悪質な方法とはどのような方法なのでしょうか。

悪質な方法については、裏社会に精通する元週刊文春記者の吾妻博勝さんが裏情報を教えてくれていました。

底物・浮き物

鮮魚の流通では「底物」「浮き物」という言葉に気を付ける必要があるようです。

もう字を見ただけで何となくわかりますよね。

「底物」とは、養殖場などで死んでしまって底に沈んでいる魚のことです。

「浮き物」とは、養殖場などでもう弱ってきており底に沈む寸前に水面に出てきて口をパクパクしている魚のことです。

養殖場では、病気を防ぐために抗生物質や抗菌剤などを大量に投与している悪質な業者もあるようです。

「悪質な養殖のハマチを食べれば風邪を治る」という噂話があるほどです。

そのような環境で死んでしまった魚は、何らかの病気を持っている可能性があるということですね。

これらの魚は通常養殖業者が廃棄処分とするのですが、この廃棄処分とされた「底物」「浮き物」が、闇の流通で市場に出回り、通常では考えられない安い値段で取引されている悪質なケースがあるようです。

最近廃棄処分の食品(ココ一番の廃棄カツ)が市場に出回るという事件がニュースになりましたよね。それと同じケースです。

ですので、「あまりに安い寿司屋ではこのような魚が利用されている可能性があるので注意が必要だ」ということです。

こんな話を聞いてしまうと安い寿司屋さんに行きにくくなりますよね。

番組では「すべての安い寿司屋さんがそうではなく、まれにある」と話していましたが、まじめに安いお寿司を提供してくれている良心的なお店にとっては迷惑な話です。

偽装ネタ

その他にも、例えばアナゴを注文するとペルーで獲れるウナギ目ウミヘビ科の「アンギーラ(日本名マルアナゴ)」が出てきたり、玉子のお寿司を注文すると粉末卵を使用したものが出てきたりすることもあるようです。

この本来と違う魚が出てくるのはよく聞く話です。

タイだと思ったら「ティラピア」であったり、ブリだと思ったら「シルバーワレフ」であったり、サーモンだと思ったら「ニジマス」であったなどという話は、珍しいわけでもないようですからね。

まあこの違う魚に偽装しているのは、本当においしければきちんと表示してくれればいいんですけどね。

ただ「ティラピア」が回転寿司で回ってきたら積極的には食べないので、このような偽装が起こってしまうということなのでしょうね。(アンギーラは日本名がマルアナゴなので、アナゴとして出すのはOKだそうです。)

このように考えると、お寿司屋さんに行くのにネタ代を値切ろうとするのはちょっと危険がありますよね。

それでは次にお寿司を安く提供するための要素である「店舗代」についてみていきたいと思います。

店舗代

店舗代を考えるうえで、家賃や場所も重要な要素になってきますが、今回番組では、違う視点で放送がされていました。

店舗代について番組では、銀座・北新地など日本のお寿司屋さんを数多くデザインした(株)スーパーマニアックインテリアデザイナーのさんが裏事情をお話していました。

内装にこそ寿司の良し悪しは現れる

鈴木さんが言うには、「内装にこそ寿司の良し悪しが現れる」そうです。

それでは腕の良い職人がこだわる内装とはどのようなものなのでしょうか?

一枚板のカウンター

腕のいい職人さんがまずこだわるのが一枚板のカウンターとなるようです。

イチョウの木やヒノキからできた一枚板のカウンターを利用しているお寿司屋さんは、いい寿司屋を見つけるポイントになるようです。

ガラスのネタケースを置かない

よくお寿司屋さんで見かけるガラスのネタケースを置かないお寿司屋さんでは、職人の包丁さばきやネタの握りなどが目の前で見ることができるのも味がありますよね。

照明で職人の手元を照らす

また照明で職人の手元を照らすことにより、その技術がより際立つようにしているようです。

ネタを選ぶときはネタケースから

ガラスケースがないのでネタをどのようにお客さんが選ぶのかというと、ネタを選ぶときはネタケースの木箱から選ぶのですね。

お店によってはこのネタケースのサイズや材質を特注するこだわりもあるようです。

目線の高さを合わせる

あまり私たち客側は気付かないかもしれませんが、お客さんと職人さんの目線の高さを合わせるような工夫をしているようです。

具体的には、上下15度ずつの30度以内に目線の角度を設定した内装にすると、お客さんが首を動かすことなく視線を動かすことができるので、お客さんは首が疲れることなくお寿司を食べることができるのですね。

目線の高さは絶対条件

お寿司屋さんの店舗を作るうえで、こだわればこだわるほど内装費が高くなってしまうのですが、この中でも「目線の高さ」はいいお店の絶対条件になるようです。

目線の高さが合わないと、首が疲れてその結果お寿司の味の印象まで悪くなってしまうのですね。

1時間はお寿司を食べる時間に費やしますので、お客さんを疲れさせないためにはいい「目線の高さ」を設定することが必要になってくるのです。

この目線の高さはお金をそれほどかけなくても対応することが可能となっています。

例えば椅子の高さを高くすることによって、目線の高さをできるだけ合わせることは可能です。

このようにお客さんを疲れさせない「おもてなしの心」があるお店は、こだわりのあるいいお店と考えることができるということになりますよね。

技術料

それでは最後に技術料についてみていきましょう。

技術料については、日本全国300件以上のお寿司屋さんを食べ歩いた寿司マニアのもへじ亭店主である眞山仁さんが裏事情について話していました。

腕のいい寿司職人が必ずやる技術とはどのようなものなのでしょうか?

幻の沈む寿司

寿司をカウンターに置くと寿司が沈むことがあるそうです。

どういうことかというと、超一流の職人は空気を握るそうで、シャリがふかふかの状態となっているので寿司をカウンターに置いた瞬間にネタの重みで空気が抜けてお寿司が沈むということのようです。

究極の煮ハマグリ

煮ハマグリを一緒に付け込んだ甘い汁と一緒にお皿にのせて出してくるそうです。これは江戸前の本当の古い仕事らしいです。

イカを注文すればいい職人さんかどうかがわかる

眞山さんによると、イカを注文すればいい職人さんかどうかがわかるようです。

いい職人さん・技術のある職人さんは、イカの三枚重ね握りという技法を使っているようですね。

イカの三枚重ね握りとは、イカを3枚におろして握るようです。

まずイカを3枚におろして、皮目のある一番上のイカの表面に包丁で切り目を入れ、おろしたイカの一番上と二番目を入れ替えます。

順番を入れ替えるとどのようになるのでしょうか。

実は真ん中(二番目)の柔らかい部分を上にすると、一番おいしいところが口の中で一番先に当たることによって甘みが先に立つので、おいしく感じられるということです。

いわゆる、冒頭でお話しした「安いのにおいしい寿司を食べたければ1・2・3ではなく2・1・3と並べるお店を探せ」ということです。

単価の安いイカにおもてなしの心をもって工夫するお店は、お客様にいいものを安く提供するということになりますよね。

このようなおもてなしの心があるお寿司屋さんを探すと、おいしいお寿司を安い値段で食べれるということです。

私自身もこれまであまりイカにこだわったことがなかったのですが、これからイカに注目してみたいと思います。

みなさんもぜひ安い値段でおいしいお寿司を食べてくださいね。