昨日「奨学金を延滞するとどうなるのか?」をエントリーしましたが、そもそも給付型奨学金なら延滞という概念が発生しませんよね。

給付型奨学金とは、お金を返さなくていい「もらえる奨学金」のことです。返還する必要がないので当然のことですが、現在の貸与型奨学金のように借金を背負うこともなくなります。

ここのところよく話題になっていますが、日本では国による給付型奨学金の制度がほとんどありません。

民進党が次の参院選で給付型奨学金制度の創設を公約の一つにするそうですが、安倍首相もこの流れを受けて給付型奨学金制度を創設する考えを先日表明しました。

ただ現時点で日本学生支援機構では、給付型奨学金というものが存在しないのも事実です。

しかしながら奨学金を提供してくれるのは、日本学生支援機構だけではありません。

日本には大学が独自に設定している給付型奨学金や、企業による給付型奨学金などがいろいろとあるのです。

これらは返さなくていい「もらえる奨学金」なので、ぜひ利用したいところです

今回は各大学が独自に実施している給付型奨学金についてみていきたいと思います。

大学による給付型奨学金

あまり知られていないようですが、多くの大学では独自に給付型奨学金の制度を創設しています。

それぞれの大学によって奨学金がもらえる条件、申請する時期などが異なっていますので、自分が進学を希望する大学の奨学金についてきちんと調べておく必要があります。

それでは見ていきましょう。

早稲田大学の給付型奨学金

早稲田大学の給付型奨学金「めざせ!都の西北奨学金」は、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者で、学業成績が優秀であるにもかかわらず家計の事情で早稲田大学への進学を断念せざるを得ない受験生を対象にした奨学金です。

給付額は年額40万円で4年間の継続支給なので、合計160万円が給付されます。

しかも採用者数が約1,200名(第一回 約800名、第二回 約400名)なので、給付金がもらえる人数も多くなっているのがいいですね。

父母の収入による制限(給与所得800万円未満等)などがありますが、申請する価値はありそうですね。

2016年度入学試験の申請はすでに終わっています(第一回 2015年10月15日(木)~11月28日(土)消印有効、第二回 2016年1月5日(火)〜1月26日(火)消印有効)が、来年度に受験予定の方は、申請時期を忘れないようにチェックしておく必要がありますね。

http://www.waseda.jp/inst/scholarship/aid/programs/pre-approved/

慶應義塾大学の給付型奨学金

慶應義塾大学の給付型奨学金「学問のすゝめ奨学金」は、慶應義塾大学の学部第1学年に入学を強く希望する日本国内(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を除く)の高等学校等出身者で、人物および学業成績が優秀であるにもかかわらず、経済的理由により本学への入学に困難を来している受験生に対し、経済支援を行うことを目的とします。

給付額は、年額60万円(ただし医学部は90万円、薬学部薬学科は80万円)で、毎年の申請・審査により2年目以降も継続受給が可能です。

採用予定者数は、107名となっています。

父母の収入による制限(給与所得1000万円未満等)がありますが、申し込んでおきたいですね。

2016年度入学試験の申請はすでに終わっています(平成27(2015)年11月2日(月)~12月5日(土)当日消印有効)が、来年度に受験予定の方は申請時期をチェックしておきましょう。

http://www.gakuji.keio.ac.jp/life/shogaku/gakumon.html

明治大学の給付型奨学金

明治大学の給付型奨学金は、入学試験成績優秀者に給付する「特別給費奨学金」となっています。

給付額は、授業料相当額で学部4年間支給されます(ただし、毎年度始に資格継続の審査をします)。

採用者は、約70名となっています。

明治大学の給付型奨学金は、成績優秀者から順位採用されていくので申請をする必要がありません。その分ハードルは高いですが、頑張れば奨学金がもらえるのでやりがいもありそうです。

また明治大学では貸与型奨学金もあるようですが、2017年度以降は募集を停止する計画があるそうです。

https://www.meiji.ac.jp/campus/shougaku/juken.html

立教大学の奨学金

立教大学の給付型奨学金「自由の学府奨学金」は、立教大学への入学を志望する日本国内(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県以外)の高等学校等出身者で、経済的理由により入学が困難な受験生に対し、入学後の経済支援を行なうことを目的とした奨学金です。

給付額は、年額 50 万円(給付)※理学部は年額70 万円(給付)で、原則として4年間給付されます。

採用候補者数は約500名と多い人数になっているので、競争率も下がるのではないでしょうか。

2016年度入学試験の申請時期は終わっています(2016年1月6日(水)~ 1月26日(火) 当日消印有効 ※2016年度一般入試出願期間と同じ日程です。)が、進学希望の方は来年度の申請時期をきちんとチェックしておきましょう。

父母の収入による制限(給与所得800万円未満等)がありますが、申し込んでおきたいですね。

https://www.rikkyo.ac.jp/invitation/admissions/scholarship/academy_of_freedom/

上智大学の給付型奨学金

上智大学の給付型奨学金「上智大学新入生奨学金」は、本学への入学を第一志望とし、学部入学を許可された者の中で、経済的理由により入学が困難かつ本学に入学する以前の学校の成績が優秀な者を新入奨学生として採用し、授業料の減額を行うものです。

給付額は、授業料全額相当額、授業料半額相当額、授業料3分の1相当額のいずれかとなっています。

2016年度入学試験の申請時期は終わっています(出願期間: 2016年1月5日(火)~1月22日(金) 【締切日当日消印有効】)が、進学希望の方は来年度の申請時期をきちんとチェックしておきましょう。

http://www.sophia.ac.jp/jpn/studentlife/scholarship/scholarship0005/gakubu/gakubu_ippan

中央大学の給付型奨学金

中央大学の給付型奨学金「中央大学予約奨学金」は、中央大学(学部生対象)への入学を希望する首都圏(東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県)以外の学業成績が優秀な受験生に対し、経済的事情がある場合でも中央大学への進学を志せるように、入試出願前に審査し、入学後のステップアップを支援する為の給付奨学金を用意しています。

給付額は、授業料相当額半額となっており、原則4年間支給されます。(※ただし、毎年度の継続審査により給付が継続できないことがあります。)

採用内定者数は、約100名となっています。

2016年度入学試験の申請時期は終わっています(2015年11月2日~12月1日)が、進学希望の方は来年度の申請時期をきちんとチェックしておきましょう。

父母の収入による制限(給与所得700万円未満等)がありますが、申し込んでおきたいですね。

青山学院大学の給付型奨学金

青山学院大学の給付型奨学金「地の塩、世の光奨学金」は、学業成績が優秀であるにもかかわらず、経済的理由で進学が困難な学生に対して経済的支援を行う予約型の給付奨学金です(対象:本学に入学を希望する首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)以外の国内高等学校出身者)。

給付額は、年額50万円となっており、原則4年間支給されます。(毎年の進級時に学業成績及び家計状況による継続審査有)

採用候補者数は、約350名と多めに設定されていますね。

2016年度入学試験の申請時期は終わっています(第1回/2015年11月2日(月)~27日(金)・第2回/2016年1月5日(火)~22日(金))が、進学希望の方は来年度の申請時期をきちんとチェックしておきましょう。

父母の収入による制限(給与所得800万円未満等)がありますが、申し込んでおきたいですね。

関西学院大学の給付型奨学金

関西学院大学の給付型奨学金「ランバス支給奨学金〈給付制〉」は、関西学院大学への進学を強く希望し、経済的な理由により本学への入学に困難をきたしている受験生への経済支援となっていいます。

給付額は、文系学部300,000円、人間福祉学部360,000円、教育学部・国際学部400,000円、総合政策学部400,000円、理工学部450,000円 となっています。(2年次以降も条件を満たせば継続受給可能です。)

採用候補者数は、約150名となっています。

またその他にも、「関学支給奨学金(就学奨励奨学金・経済支援奨学金)〈給付制〉」「育英奨学金〈給付制〉」等々の奨学金も充実しているようですね。

2016年度入学試験の申請時期は終わっています(2015年11月に申請)が、進学希望の方は2017年度入学試験の申請時期をきちんとチェックしておきましょう。

いろいろな制限(給与所得700万円未満等)がありますが、申し込んでおきたいですね。

http://www.kwansei.ac.jp/students/students_006543.html

関西大学の給付型奨学金

関西大学の給付型奨学金「学の実化(じつげ)」入学前予約採用型給付奨学金は、有為な人材の育成と経済支援を目的に、関西大学への入学を強く希望する全国の高等学校出身者仲等教育学校の後期課程を含む)に対して、入学試験の出願前に、入学後の給付奨学金を予約採用する制度です。

給付額は、法=文=経済ー商ー社会学部 (関西圏【外】からの進学者)40万円 く関西圏【内】からの進学者)30万円、政策創造人間健康学部 (関西圏【外】からの進学者)43万円 く関西圏【内】からの進学者>33万円となっています。原則4年間支給されます。

採用人数は、記載されていないのでわかりません。(すみませんでした)

2016年度入学試験の申請時期は終わっています(2015年11月5日~30日に申請)が、進学希望の方は2017年度入学試験の申請時期をきちんとチェックしておきましょう。

父母の収入による制限(関西外の場合は給与所得700万円未満等)がありますが、申し込んでおきたいですね。

http://www.kansai-u.ac.jp/gakusei/scholarship/

立命館大学の給付型奨学金

立命館大学の給付型奨学金「入学試験受験前予約採用型奨学金」は、立命館大学への入学を強く志望する者に入学後の経済支援を行うことを目的としており、一般入学試験の受験前に奨学金の採用候補者を選考し、入学試験合格後、本学への入学を以って正式採用となります。募集要項をよく読み、出願に必要な手続きを行ってください。

給付額は、入学した学部の年間授業料の50%相当額で、給付期間は修業年限(薬学部薬学科は6年、それ以外の学部学科は4年)となっています。

採用人数は、400名以内となっています。

2016年度入学試験の申請時期は終わっています(2015年11月4日~12月2日に申請)が、進学希望の方は2017年度入学試験の申請時期をきちんとチェックしておきましょう。

父母の収入による制限(給与所得600万円未満等)がありますが、申し込んでおきたいですね。

https://ritsnet.ritsumei.jp/fee/scholarship/prescholarship.html

大学独自の給付型奨学金の注意点

上記の大学以外でも、大学独自の給付型奨学金を実施している大学はあります。

自分自身の進学先の大学で給付型奨学金制度があるかどうかを調べておきましょう。

上記を見てもわかるように、入学試験前にすでに奨学金の申請をしなければならない大学がほとんどとなっています。

2017年度の入学試験で奨学金を希望する場合は、2016年の10月・11月に奨学金希望の申請をする必要が出てくるということなので、進学希望先の募集要項(申請時期等)をきちんと確認しておきましょう。

今回は難関私大の奨学金制度について紹介しましたが、国立大学や公立大学でも給付型奨学金を実施していることがありますので、確認しておきましょう。

また、複数の奨学金を併用できるケースもありますので、その点についても確認が必要ですね。

日本学生支援機構の奨学金は貸与型ですが、貸与型は返済する必要があります。

返済の必要のない、いわゆる「もらえる奨学金」をうまく活用しましょう。